母の喜ぶ顔

母の喜ぶ顔
母の喜ぶ顔

母の日に毎年、花を送っている。
同居の姉曰く、母は玄関の一番目立つ場所に飾り、人が来るたびに、息子が送ってくれたと嬉しそうに自慢しているらしい。
コロナのこともあり、今年はどうしようかと迷っていたが、母を少しでも喜ばせたくて送ることにした。
定番のカーネーションにしようか、別の花にしようか、自慢できないんだから、いっそ食べ物のがいいのか…
母の好みはピンクらしい。これも花を贈り始めて知ったことである。

通勤途中の道で満開のマーガレットを見た。綺麗だな〜と足を止め写真を撮った。
あまりにも綺麗だったので、母にも見せたいと思う。
今の時代、スマホがあれば瞬時に送ることが出来るのだがあいにく母の携帯はガラケーである。しかも、そのガラケーも本人のというより亡くなった夫 (私の父)の物である。
使い方は姉次第なのだが…根気強く教えてもなかなか使えるようにはならないらしい。

今のところ母は電話を掛ける以外、使っていない。こちらから掛けてもほぼ繋がらない。たまにつながっても、電波が悪いのか、耳が遠いのか、話が通じない。
もっぱら家電に掛けている。

今年はマーガレットを送ることに決めた。色が変わり、白、ピンク、濃いピンクと楽しめるらしい。
色とりどりの花に母の喜ぶ顔を思い浮かべながら申込みをした。


T.H